弁護士や司法書士等の士業の先生方が、事務所経営を安定させるために「注力したい業務」には、明確な傾向があります。
- 遺言・相続(単価が高く、需要が増加している)
- 交通事故(弁護士特約などで報酬が確保しやすい)
- 離婚・男女問題(件数が多く、回転率が良い)
- 債務整理(定型的な処理が可能)
これらは「収益性」と「需要」が見込めるため、多くの事務所がこぞってホームページのコンテンツを強化し、広告費を投入します。
その結果、何が起きるか。 当然ながら「強烈なレッドオーシャン(競合過多)」となります。
今回は、このようなライバルだらけの激戦区において、ただ埋もれるのではなく、しっかりと受任(集客)につなげるためのマーケティング戦略についてお話しします。
このページの目次
「人気分野」で集客が難しい理由
先生が「相続に力を入れたい」と考えたとき、ライバルの事務所も同じことを考えています。 そのため、以下のような現象が起こります。
SEO難易度の高騰
「相続 弁護士」「交通事故 相談」といったビッグワードで上位表示するには、膨大なページ数とドメインパワーが必要となり、後発組が参入するのは至難の業です。
広告費(クリック単価)の高騰
リスティング広告において、人気キーワードの入札単価は上がり続け、1クリック数千円になることも珍しくありません。
では、資金力のある大手事務所しか勝てないのでしょうか? いいえ、そうではありません。ここで重要になるのが「緊急度」と「重要度」という視点です。
「受任のしやすさ」を決める2つの軸
ユーザーが法律家のサポートを必要とするとき、その動機は以下の2つの軸で分類できます。
重要度:その問題が人生に与える影響の大きさ
緊急度:今すぐ解決しないといけない切迫度
法律問題は、基本的にどれも「重要度」は高いです。 しかし、勝負を分けるのは「緊急度」です。
失敗例:「重要」だが「緊急」ではない層を狙ってしまう
最も苦戦しやすいのが、「遺言書作成」の集客です。
「家族のために遺言書を作りましょう」とアピールしても、なかなか問い合わせが来ない経験はありませんか? これは、多くの人にとって遺言は「重要だとは分かっているけれど、今すぐでなくてもいい(緊急度が低い)」ものだからです。「いつかやろう」と思っているうちに、ユーザーは離脱してしまいます。
「緊急度」が高いユーザーに絞り込む戦略
激戦区の人気分野で勝つためには、ターゲットを「今すぐ動かないとマズイ人(緊急度が高い人)」に絞り込む必要があります。
先ほどの「遺言・相続」を例に考えてみましょう。
ターゲットA(緊急度:低)
状況:「なんとなく将来の相続が不安だなあ」
検索ワード:「遺言書 書き方」「相続 基礎知識」
結果: 情報収集だけで終わり、受任につながりにくい。
ターゲットB(緊急度:高)
状況:「親が余命宣告を受けた」「認知症の兆候が出始めた」「兄弟の仲が悪く、揉めるのが目に見えている」
検索ワード:「認知症 遺言 無効」「遺留分 請求期限」「公正証書遺言 すぐ作る」
結果: 「手遅れになる前に」という心理が働き、すぐに問い合わせにつながる。
つまり、漫然と「相続全般やります」と発信するのではなく、「今まさに切羽詰まっている状況」に向けたコンテンツを用意することで、競合との争いを避け、高い確率で受任を獲得できるのです。
まとめ:ホームページ制作は「心理戦」です
多くの事務所が、 「遺言、相続、交通事故、何でも相談に乗ります」 という「網羅的」なホームページを作ろうとします。
しかし、それでは競合に埋もれてしまいます。 集客に成功している事務所は、 「余命宣告を受けた方へ」 「治療費の打ち切りを通告された方へ」 というように、ユーザーの「緊急度(焦り)」にフォーカスしたページ作りを徹底しています。
どの分野の、どんな状況にいる人を狙うか?
その人は、どんな言葉(キーワード)で検索するか?
私どもサムライラボでは、単に綺麗なホームページを作るのではなく、こうした「受任確度の高いユーザー」をピンポイントで集めるための戦略設計からお手伝いしています。
「人気の分野で戦いたいが、どう差別化すればいいか分からない」とお悩みの先生は、ぜひ一度ご相談ください。









