弁護士の広告規制とは?令和7年改正点とHPの禁止表現を解説

知らないでは済まされない弁護士の広告規制

インターネットが情報収集の主要な手段となった現代において、弁護士の先生方にとってもホームページ(HP)は、依頼者と繋がるための不可欠なツールとなりました。しかし、その一方で、Web集客への取り組みが、意図せずして深刻なリスクを招くケースが増加していることをご存知でしょうか。

弁護士の広告は、日本弁護士連合会(日弁連)の「弁護士等の業務広告に関する規程」や「業務広告に関する指針」によって厳しく規制されています。これらのルールを知らずに、あるいは軽視してホームページを制作・運用してしまうと、最悪の場合、懲戒処分という重い結果に繋がりかねません。

特に近年、Webマーケティングの知識が乏しい制作会社に依頼した結果、規制に抵触する表現を用いてしまう事例が後を絶ちません。集客を急ぐあまりの安易な選択が、先生ご自身の信頼を揺るがす事態を招くのです。

令和7年改正で厳格化。今、知るべき理由とは

とりわけ、近年改正された「業務広告に関する指針」(出典:日本弁護士連合会)は、すべての弁護士が正確に理解しておくべき喫緊の課題です。

この改正の背景には、国際ロマンス詐欺や一部の不適切な債務整理広告など、社会問題化している事案への対応という側面があります。これは、単なるルール変更ではありません。国民の弁護士に対する信頼を維持し、誇りと品位を守るための、業界全体の強い意志の表れなのです。

「自分の事務所は特殊な案件を扱っていないから関係ない」そうお考えになるのは危険です。本記事では、この最新の改正点をはじめ、先生のホームページが「違反広告」とみなされないために今すぐ確認すべきポイントを、具体例を交えて専門家の視点から徹底的に解説します。

令和7年改正の弁護士広告規制の2つの主要なポイント(債務整理と国際ロマンス詐欺)をまとめた図解。

【令和7年改正】業務広告に関する指針の2大ポイント

今回の「業務広告に関する指針」改正で、特に注意すべきは「債務整理事件」と「国際ロマンス詐欺等の被害回復が困難な事件」に関する広告表現です。これらは近時問題となっている類型に具体的に対応し、弁護士の信用性を確保することを目的としています。依頼者の過度な期待を煽り、結果として不利益に繋がるような広告は、より一層厳しく規制されることになります。

①債務整理事件|誤解を招く「国の制度」表現の禁止

改正後の指針では、債務整理事件に関して、以下のような表現を含む広告が明確に禁止されることになりました。

「国が認めた借金減額制度」、「国が認めた借金救済制度」等、あたかも破産や民事再生以外に、債務者にとって特別に有利な法的債務整理の制度が存在するとの期待を抱かせる表現を含むもの

(業務広告に関する指針 第3 4⑶)

このような表現は、法律知識のない一般の方々に対し、「何か特別な裏技のような制度があるのではないか」という誤解を与えかねません。実際には、債務整理は法に定められた手続きに則って行われるものであり、誰もが簡単に、そして有利に借金をなくせるわけではありません。

債務者の藁にもすがる思いに付け込み、安易な期待を抱かせて受任に繋げるような広告は、弁護士としての品位を損なう行為です。ホームページのキャッチコピーなどで、無意識にこうした表現を使っていないか、今一度ご確認いただく必要があります。

②国際ロマンス詐欺|「高額回収事例」の過度なアピール禁止

国際ロマンス詐欺や投資詐欺など、被害回復が極めて困難な事件に関する広告表現も厳格化されました。

国際ロマンス詐欺、投資詐欺等の被害回復が容易でなく、被害回復ができないか、ごく少額の回収にとどまることが多いことが弁護士業務上の社会通念として明らかである事件に関し、殊更に高額回収ができた事例のみを紹介する等、依頼すれば高額の回収ができるとの期待を抱かせる表現を含むもの

(業務広告に関する指針 第3 4⑸)

これらの事件は、加害者の特定が難しく、資金が海外に送金されているケースも多いため、被害金の回収は非常に困難であるのが実情です。にもかかわらず、ごく稀な成功事例だけをことさらに大きく見せる広告は、依頼者に「自分も同じように高額回収できるはずだ」という誤った期待を抱かせてしまいます。

結果として、高額な着手金を支払ったにもかかわらず、全く回収できずに終わる「着手金倒れ」のリスクを高めることになりかねません。弁護士には、見込みのない事件をあたかも見込みがあるかのように誤認させて受任することがないよう、誠実な情報提供が求められています。成功事例を掲載する際は、その見せ方に細心の注意が必要です。

弁護士が依頼者の話を真摯に聞いている相談風景。誠実な対応の重要性を象徴している。

あなたのHPは大丈夫?今すぐ見直すべき違反広告の具体例

令和7年の改正点以外にも、弁護士のホームページには多くの「落とし穴」が存在します。ここでは、多くの先生方が見落としがちな、よくある違反広告の具体例を解説します。ご自身のサイトと照らし合わせながらご確認ください。

事例1:ホームページの「表示義務」違反

最も基本的でありながら、意外と見落とされているのが「表示義務」です。「弁護士等の業務広告に関する規程」第9条では、広告の責任の所在を明確にし、何か問題があった際に利用者が所属弁護士会へ通報しやすくするために、以下の事項の表示を義務付けています。

  • 弁護士個人の場合:氏名、所属弁護士会
  • 弁護士法人の場合:名称、事務所の名称、所属弁護士会

例えば、ホームページのどこにも「所属弁護士会」の記載がないケースは、規程違反となります。これは、責任の所在を曖昧にする行為とみなされる可能性があります。これらの情報が正しく記載されているか、必ず確認してください。

参考:所属弁護士会の表示がないものは違反広告です。

事例2:実在しない「解決事例」の掲載

集客力を高めたい一心で、「シミュレーション」や「机上事例」といった架空の事例を、あたかも実際に取り扱った「解決事例」のように掲載することは、絶対に許されません。

「保険会社提示額の○倍を勝ち取った」といった、通常では考えにくいような華々しい成功事例を掲載することは、依頼者に過度な期待を抱かせるだけでなく、「事実に合致していない広告」(規程第3条第1号)として重大な違反となります。

弁護士会は、広告内容が事実に合致しているか疑いがある場合、広告主に証明を求めることができます。その際に、事件記録などを提出し、事実であることを証明できなければ、違反広告とみなされる可能性があります。実際に取り扱った事例を掲載する場合であっても、依頼者の同意やプライバシーへの配慮など、守秘義務との関係で厳格なルールが定められていることを忘れてはなりません。

事例3:誤解を招く「センター」などの名称使用

「〇〇交通事故相談センター」や「〇〇遺言相続センター」のように、法律事務所の正式名称とは別に、あたかも公的な相談機関であるかのような誤解を与える名称を使用することも禁止されています。

これは、一つの法律事務所に複数の名称を付すことを禁じた「法律事務所等の名称等に関する規程」に違反する行為です。利用者が「法律事務所」ではなく「中立的な公的機関」と誤認して相談してしまうことを防ぐためのルールです。自社のサービス名やサイト名に、このような誤解を招く表現がないか、点検が必要です。

事例4:非弁提携を疑われる広告の特徴

近年、特に問題視されているのが、非弁護士(コンサルティング会社など)との提携(非弁提携)が疑われる広告です。以下のような特徴が複数見られる場合、注意が必要です。

非弁提携を疑われる広告の4つの特徴(24時間365日対応、全国対応、LINE相談、フリーダイヤル)をまとめた図解。
  • 所属弁護士が少数なのに「24時間365日対応」を謳っている
  • 「全国対応」を過度にアピールしている
  • 「LINEで相談」と表示されているが、実際に対応しているのが事務職員
  • 電話番号が0120で始まるフリーダイヤルなど、日弁連の登録情報と異なる

これらの表現の裏には、弁護士ではない事務職員がマニュアル的に大量の相談を処理し、弁護士は名義を貸しているだけ、という構造が隠れている場合があります。このような事務所は、個々の事案を適切に処理せず、依頼者が不利益を被るリスクが非常に高いため、広告の段階から厳しく監視されています。先生ご自身が非弁提携に加担しないことはもちろん、そのような業者と関わりを持たないためにも、これらの特徴を知っておくことが重要です。

広告規制違反のリスクと、専門知識のない業者に依頼する危険性

ここまで解説してきた広告規制に違反した場合、弁護士会から違反行為の中止命令や、場合によっては懲戒処分を受ける可能性があります。しかし、リスクはそれだけではありません。

より現実的な危険は、「弁護士の広告規制を知らないWeb制作会社やコンサルタントにホームページ制作・運用を依頼してしまうこと」です。

専門家としての視点:私たちの経験から

私たちサムライラボには、「他社で制作したホームページでリスティング広告を始めたい」というご相談が寄せられます。しかし、拝見すると、残念ながら弁護士業界の広告ルールを全く考慮せずに作られてしまっているケースが少なくありません。

リスティング広告には、出稿できない分野や使用できないキーワード、ホームページに必ず記載すべき項目など、特別なルールが存在します。これらを知らずにホームページを作ってしまうと、いざ広告を出そうとしても審査に通らず、最悪の場合、多額の費用をかけて作ったホームページ自体が無駄になってしまう可能性さえあるのです。

実際に、一般的なコンサルティング会社や広告代理店、Web制作会社に依頼した結果、広告が出せなかったという事例は後を絶ちません。これは、先生方にとって計り知れない金銭的・時間的損失です。Web集客のパートナー選びは、事務所の未来を左右する重要な経営判断であると私たちは考えています。

規制遵守と集客を両立するホームページ制作ならサムライラボへ

「広告規制は遵守したい。でも、集客もしっかり行いたい」
この両立が、弁護士の先生方にとって最も重要な課題ではないでしょうか。その課題を解決するためには、デザインスキルやWebマーケティングの知識だけでは不十分です。弁護士業界の特殊なルールを深く理解した、専門家のサポートが不可欠です。

もし先生がホームページの制作やリニューアル、Web集客全般でお悩みでしたら、私たちサムライラボにご相談ください。士業のWeb集客における課題については、士業のHP集客完全ガイド|制作依頼の選び方から広告規制まででも詳しく解説しております。

私たちは、広告規制への対応をサポートし、先生が本業に専念できる環境づくりを目指します。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

士業特化だからこそ。広告規制を熟知したWeb戦略

サムライラボの最大の強みは、創業以来一貫して弁護士・司法書士などの「士業」に特化してきたことです。私たちは、日弁連の広告規程はもちろん、検索エンジンが士業サイトに適用する厳しい品質基準(YMYL、E-E-A-T)を深く理解しています。

そのため、単に見た目が美しいだけのホームページを作ることはありません。常に「どうすれば規制を守りながら、依頼に繋がるか」という視点から逆算し、戦略的なサイト設計を行います。士業に特化した豊富な経験に基づく支援を提供できることが、私たちの強みです。

士業専門のWeb制作会社サムライラボのチームが、弁護士のホームページについて戦略会議を行っているプロフェッショナルな風景。

制作から運用までワンストップ。先生は本業に専念できます

多忙な先生方にとって、ホームページの管理・運用は大きな負担です。サムライラボでは、ホームページの制作から、公開後のSEO対策、リスティング広告の運用、サーバー保守、コンテンツの更新まで、Webに関する業務をワンストップでサポートいたします。

「Webのことはよく分からないから、専門家に任せたい」
私たちは、そんな先生方のニーズに全力でお応えします。複雑なWebマーケティングは私たちにお任せいただき、先生は依頼者と向き合うという、最も重要な本業に集中できる環境をご提供することをお約束します。

まとめ|弁護士のWeb集客は広告規制の理解が成功の鍵

本記事では、令和7年に改正される「業務広告に関する指針」を中心に、弁護士の先生方が遵守すべき広告規制について解説しました。

Web集客の重要性が高まる今、広告規制への理解は、事務所経営を成功させるための必須知識です。安易な自己判断や、業界知識のない業者への依頼は、懲戒処分や経済的損失といった大きなリスクを伴います。

安全かつ効果的に成果を出すための鍵は、信頼できる専門家をパートナーに選ぶことです。私たちサムライラボは、士業の先生方の理念と情熱が、助けを求める人々にまっすぐ届くよう、Web戦略のあらゆる側面から全力でサポートいたします。ホームページに関するお悩みは、どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。




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