以前の記事で「弁護士・司法書士ホームページのアクセスアップ」と「弁護士・司法書士ホームページのSEO対策」の記事を書きました。
この記事で触れていることと,少し重複してしまいますが,弁護士や司法書士がホームページで集客をしようとしたとき,どうしても人気のある業務は偏りが出てしまい競争が激しくなることを書きました。
今回は,”検索者数”の数や競合の多寡という視点ではなく,”受任のしやすさ”について簡単に触れてみたいと思います。
●受任のしやすさは「緊急度」+「重要度」で考えることからはじめる
弁護士,法律事務所,司法書士のホームページはもちろん,さらには別業種でも言えることですが,高額な費用が必要なサービスや高額な費用がかかることが予想されるサービスをうけるときは,「緊急度」と「重要度」を意識すると集客が非常にしやすくなります。
ここでは解りやすく「遺言書の作成」を例にしたいと思います。
多くの方が,遺言・相続関連業務を取り扱っていることかと思います。
単純に「親身になって遺言書を作成します」と色々なターゲットと媒体でアプローチしても,容易には問い合わせを確保できず,非常に苦戦することは多くの弁護士や司法書士等の士業の方が認識していることだと思います。
これがなぜ,”苦戦”するのかお分かりですか?
実はこれこそが,「緊急度」と「重要度」の意識が足りないがゆえに,起こりがちなマーケティング上の過ちなのです。
遺言は,死後の財産,身分などの法律行為に関する意思表示の手段だと理解しています。
(法律行為以外の意思表示もあるかと思いますが,士業の業務の性質上ここでは考えないで下さい)
遺言という業務を掘り下げて考えると,遺言書作成自体の「重要度」は人や状況よっては非常に重要度は高くなりますので良いのですが,「緊急度」が高いとはいえるケースが少ないのです。
例えば,医師から余命宣告をされてしまい,余命が短いことを本人または家族が十分に認識している場合は,急がなくては意思を表示する機会が失われる可能性が高くなりますので,「緊急度」が高いといえます。
しかし,上記のようなケースを除けば,多くの人は「人間はいつか死んでしまう」という程度の認識しかなく,緊急度が高いとはいえません。
この緊急度が低いと,受任に至りにくい,あるいはホームページを認知してから受任に至るまでの時間が非常に長くなる傾向にあります。
そのため,遺言書作成で集客をしたいときは,”緊急度が高いユーザー層”をターゲットにするか,緊急度を高める工夫が必要になってきます。
次回のコラムでは,弁護士,法律事務所,司法書士のホームページ制作において,この「重要度」と「緊急度」を少し掘り下げて書いてみたいと思います。