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「ホームページのコラム(ブログ)を更新しましょう」 そう言われても、何を書けばいいのか分からない。専門的な判例解説を載せても、なかなか反応がない。 そんな悩みを抱える先生方は少なくありません。
実は、集客に成功している事務所とそうでない事務所の決定的な違いは、「誰に向けて」「どんな言葉で」書いているかにあります。
今回は、検索エンジン(Google)に高く評価され、未来の依頼者から「この先生に相談したい」と思われるためのコンテンツ作成メソッドを完全公開します。
このページの目次
第1章:ネタがない?「良いコンテンツ」を見つける2つの発掘法
そもそも、「良いコンテンツ」とは何でしょうか? それは「ユーザーが今まさに疑問に思っていることへの回答」です。
法律の専門家ではない一般の方が、日常で何に悩み、どんな言葉で検索しているのか。それを知るための具体的なリサーチ方法をご紹介します。
「Q&Aサイト」でナマの悩みを拾う
法律トラブルを抱えた人が訪れるのが、Yahoo!知恵袋やOKWAVEなどのQ&Aサイトです。 ここで「不倫 慰謝料」「相続 兄弟 トラブル」などのキーワードで検索してみてください。そこには、教科書には載っていないリアルな苦悩と、一般の方が使う「話し言葉」が溢れています。
- NG: 法律の条文解釈を淡々と解説する
- OK: 知恵袋の質問に対する「プロのアンサー」記事を書く
「ネット上には間違った回答も多いですが、専門家の視点ではこう解決します」というスタンスの記事は、非常に需要があります。
「専門用語」を「日常用語」に翻訳する
例えば、遺産分割で「相続人の一人が行方不明で連絡が取れない」という相談者がいたとします。この人は検索窓に何と打ち込むでしょうか?
× 専門家:「不在者財産管理人 申立」
○ 一般人:「遺産分割 行方不明 進まない」「相続人 連絡取れない どうする」
記事タイトルを「不在者財産管理人選任申立の手続きについて」とするのではなく、「相続人と連絡が取れない方へ:遺産分割を進める方法」としてください。 ユーザーの「悩み(日常用語)」をキャッチし、記事の中で「解決策(専門用語)」へ導く。この「翻訳」こそが、集客できるホームページの役割です。
第2章:ただの日記はNG!「読まれる記事」にする書き方
テーマが決まったら、次は書き方です。 「今日は〇〇を食べた」といった日記は、芸能人でない限り集客にはつながりません。以下のポイントを意識してください。
相談事例を「ストーリー」にする
単に「300万円の慰謝料を獲得しました」と結果だけ書くのではなく、「解決までの物語(ストーリー)」を書いてください。
- 事故の状況: 依頼者Aさんは、見通しの良い交差点で…
- 依頼者の苦悩: 怪我で仕事ができず、生活費に困り果てていた…
- 当事務所の対応: 保険会社との交渉で、ここが争点になったが…
- 結果: 生活の不安がなくなり、再出発できた。
このように書くことで、読者は「自分と同じ状況だ!」と共感し、自然と「交通事故 休業損害」などの検索キーワードも網羅されます。
専門分野や時事ネタを絡める
もしネタに困ったら、世間のニュースを法律家の視点で切るのも有効です。 「芸能人の不倫ニュース」などを題材に、「もしこれが一般の離婚裁判だったら、慰謝料はこれくらいになります」と解説する記事は、話題性がありアクセスを集めやすい傾向にあります。
なぜ「時事ネタ」はSEOに有利なのか?
Googleには「QDF(Query Deserves Freshness)」というアルゴリズムがあります。これは、「今話題になっているトピックについては、最新の記事を優先的に上位表示させる」という仕組みです。
瞬発力がある: 通常、記事を公開してから順位がつくまで時間がかかりますが、時事ネタはすぐに検索上位に出る可能性があります。
被リンク獲得のチャンス: 専門家として独自の鋭い解説をすれば、SNSで拡散されたり、ニュースサイトから引用(被リンク)されたりして、サイト全体の「ドメインパワー」が底上げされます。
「不利になる(失敗する)」ケース
逆に、以下のような書き方をするとSEOでマイナス評価、あるいは無意味な記事になります。
× ただのニュースの要約: 「芸能人のAさんとBさんが離婚しました。大変ですね。」というだけの感想文。これは誰でも書けるため、Googleから「価値のない低品質コンテンツ」とみなされます。
× 専門外のネタ: 交通事故が得意な事務所なのに、「政治家の失言」や「アイドルの不祥事」など、業務と無関係な話題ばかり書く。→ Googleが「このサイトは何の専門サイトなのか?」と混乱し、専門性(E-E-A-T)の評価が下がります。
× 寿命が短いまま放置: ニュースは1週間もすれば検索されなくなります。アクセスが一瞬増えても、その後は「誰も読まないゴミ記事」がサイトに溜まっていくことになります。
士業が勝つための「時事ネタ活用法」
時事ネタを「不利」にせず、長期的な資産(集客記事)に変えるには、「ニュースを入り口にして、普遍的な法律論に着地させる」という構成が鉄則です。
具体例:芸能人の泥沼離婚ニュースの場合
【タイトル案】
× 「俳優Aが泥沼離婚!原因は不倫か?」
◎ 「俳優Aの事例から見る、一般の離婚でも揉める『財産分与』の落とし穴とは?」
【記事の内容】
導入: 今、俳優Aさんの離婚が話題ですね(時事ネタ)。
展開: 報道によると、争点は「財産分与」のようです。実はこれ、皆さんの家庭でもよくあるトラブルです。
本論(普遍的な法律論): そもそも財産分与とは〜、隠し財産が見つかった場合は〜、弁護士ならこう調査します〜。
結論: Aさんのケースに限らず、離婚でお悩みの方は当事務所へ。
【この書き方のメリット】
ニュースとしての旬が過ぎた後も、Googleからは「財産分与について詳しく解説している専門記事」として評価され続け、検索順位が安定します(=フロー情報をストック情報に変える技術)。
時事ネタはSEOに有利か? → YES。ただし「専門家の見解」が含まれている場合に限る。
注意点 → ニュースの要約で終わらせないこと。必ず「自分の専門分野」に関連付け、一般論への解説へ繋げること。
「ニュースを見て検索してきた人」を、「法律の悩みを抱える未来の顧客」に変える意識で書けば、時事ネタは最強の集客ツールになります。
第3章:【要注意】「判例・事例解説」における致命的な罠
専門性をアピールするために「判例解説」や「解決事例」を載せることは非常に有効です。しかし、やり方を間違えるとSEO評価(検索順位)を大きく下げる原因になります。
多くの事務所が陥る「重複コンテンツ」
最もやってはいけないのが、「判例の原文をそのままコピー&ペーストして、一言感想を添えるだけ」の記事です。 Googleは、ネット上に既に存在する情報と似ている「コピーコンテンツ」を極端に嫌います。原文そのままの記事は「価値がない」と判断され、最悪の場合、サイト全体の評価を落とすペナルティを受けるリスクさえあります。
独自性を出すための「黄金律」
検索エンジンに評価される判例解説にするためのルールは以下の通りです。
- 『引用部分よりも、先生ご自身の解説や見解を圧倒的に多くすること』
判例はあくまで「素材」です。価値を生むのは先生の「考察」です。
- 要約する: 難しい専門用語をかみ砕き、一般人にもわかるように要約する。
- 核心を突く: 「この裁判の最大の争点はどこだったのか」を指摘する。
- 見解(E-E-A-T)を述べる: 「実務上どのような影響があるか」「私ならどう戦うか」という、プロとしての独自見解を入れる。
まとめ:情報発信は「資産」になる
ブログやコラムは、一度書いてしまえば、24時間365日働き続けてくれる「事務所の資産」になります。
- ユーザーの悩み(Q&A)からネタを探す
- 専門用語を使わず、ストーリーで語る
- 判例解説には必ず独自の「見解」を入れる
これらを意識して継続すれば、「先生のブログを読んで相談に来ました」という依頼者が現れます。

