
このページの目次
1. 見た目と使い心地の劇的な進化(フロントエンド技術)
私たちがホームページ制作を学び始めた2000年代初頭は、文章と画像を表示させるための「HTML」という言語だけでサイトを作るのが主流でした。しかし、現在では様々な技術が組み合わさり、相談者にとって格段に使いやすく、分かりやすいサイトを構築できるようになっています。
この背景には、皆様が普段お使いのブラウザ(Google ChromeやSafariなど)の性能が飛躍的に向上し、実現できる表現の幅が広がったことがあります。
【当たり前になった】スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)
2025年現在、ホームページへのアクセスの6〜7割以上はスマートフォンからです。PCでしか見られないサイトは、それだけで多くの相談者候補を逃していることになります。
そのため、PC、タブレット、スマートフォンなど、閲覧する端末の画面サイズに応じてデザインが自動で最適化される「レスポンシブデザイン」は、もはや必須中の必須技術となりました。Googleもスマートフォン用のサイトを基準に検索順位を決定する「モバイルファーストインデックス」を完全に導入しており、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも極めて重要です。
【SEOに直結する】Webサイトの表示速度
「ページの表示に3秒以上かかると、半数以上のユーザーが離脱する」と言われるほど、サイトの表示速度は重要視されています。遅いサイトは相談者を待たせてしまうだけでなく、Googleからの評価も下げてしまいます。
近年、GoogleはCore Web Vitals(コアウェブバイタル)という指標を検索順位の決定要因に加えています。これは、ページの「読み込み時間」「操作への反応性」「表示の安定性」を数値化したもので、優れたユーザー体験を提供できているかを測る物差しです。私たちは、画像の最適化や最新のサーバー技術を駆使し、この指標をクリアすることで、離脱率を下げ、SEOにも強いサイトを構築しています。
2. 先生ご自身での情報発信を容易にする技術(バックエンド技術)
ホームページは作って終わりではありません。コラムの更新や実績の追加といった情報発信を継続することが、集客成功の鍵を握ります。これを実現するのがCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。
【圧倒的主流】CMS「WordPress」の進化
元記事を執筆した2016年頃、CMSの「WordPress」は世界のウェブサイトの約25%で使われているとご紹介しました。それから約10年が経過した2025年現在、そのシェアはさらに拡大し、世界の全ウェブサイトの40%以上、CMSを利用するサイトの中では60%以上という圧倒的な地位を確立しています。
WordPressは、「PHP」というプログラム言語と「データベース」を連携させて動いています。
- データベース: 投稿したブログ記事や実績などのテキストデータを保管する倉庫
- PHPプログラム: ユーザーからアクセスがあった際に、データベース倉庫から必要なデータを取り出し、HTML(Webページの設計図)を自動生成してブラウザに表示させる料理人
この仕組みにより、どれだけページが増えても、先生方は専門知識を必要とせず、ブログを更新するような手軽さで、スピーディーに情報発信を行うことができます。
3. サイトの安定稼働と信頼性を支える技術(インフラ・セキュリティ)
動的なCMSは高機能で便利な一方、常にプログラムが動作しているため、サーバーへの負荷やセキュリティリスクといった課題も抱えています。しかし、これらの課題を解決する技術も大きく進化しました。
サーバー負荷への耐性を高める「高性能レンタルサーバー」
メディア掲載などで急激にアクセスが増加した際、従来の性能が低いサーバーでは処理が追いつかず、サイトが表示されなくなる(サーバーダウン)リスクがありました。
現在、私たちが標準的に採用している「高性能レンタルサーバー」は、それ自体が非常に高い処理能力を持つように設計されています。最新の高速CPUや、データの読み書きが圧倒的に速い「NVMe」規格のSSDの採用、強力なネットワーク回線といったハイスペックな環境が、アクセス集中時の高い負荷にも耐えられる安定性を実現しています。
これにより、平常時の運用コストを明確にしながら、突発的なアクセス増加が発生した際にもサイトを安定して表示させることが可能となり、貴重な機会損失を防ぎます。
【今や常識】サイト全体の暗号化(常時SSL/TLS化)
URLが「http://」ではなく「https://」で始まり、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されるサイトをご覧になったことがあると思います。これは、通信が暗号化されている証であり、「常時SSL/TLS化」と呼ばれます。
2025年現在、これは個人情報を扱う士業のホームページにとって絶対に欠かせないセキュリティ対策です。暗号化されていないサイトは、情報の盗聴や改ざんのリスクがあるだけでなく、ブラウザに「保護されていない通信」と警告が表示され、相談者に深刻な不信感を与えてしまいます。もちろん、Googleからの評価も大きく下がります。
まとめ:技術は、未来の依頼者との信頼を築くための「土台」
ここまでご紹介した技術は、ほんの一部に過ぎません。これからもウェブの世界は日々進化を続けていくでしょう。
重要なのは、これらの技術はそれ自体が目的ではないということです。「相談者が見やすく、安心して使えるサイトを提供し、先生の専門性や人柄を正しく伝える」という目的を達成するための、いわば土台となる手段です。
私たちは、常に最新の技術動向を研究し、マーケティングに有効な技術を迅速に取り入れています。そして、先生方が本来の業務に集中できるよう、安全で快適なホームページ運用をこれからも全力でサポートしてまいります。