Gmail・GoogleWorkspaceについて

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弁護士、司法書士、税理士などの士業事務所において、メールは業務の生命線です。 現在、プライベートで使っている「無料版Gmail(@gmail.com)」をそのまま業務で使っている先生も多いかもしれませんが、セキュリティや信頼性の観点から、有料版への移行を検討すべきタイミングに来ています。

かつて「G Suite」と呼ばれていたサービスは、現在「Google Workspace(グーグル ワークスペース)」と名称を変え、機能も進化しています。

この記事では、

  • 「無料版Gmail」と「有料版(Google Workspace)」の決定的な違い
  • 士業事務所が有料版を導入するメリット
  • 独自ドメイン運用の注意点

について、最新情報をわかりやすく解説します。

そもそも「Google Workspace(旧G Suite)」とは?

Google Workspaceは、Gmail、カレンダー、Drive、Meet(ビデオ会議)などのGoogleアプリを、ビジネス向けに強化したパッケージサービスです。

最大の特徴は、「独自ドメイン(例:info@yamada-law.com)」を使ってGmailの機能が使える点です。 いつものGmailの使いやすさはそのままに、プロフェッショナルとしての信頼感とセキュリティを手に入れることができます。

「無料版」と「有料版」の決定的な違い

士業事務所にとって特に重要な違いをピックアップしました。

機能・特徴無料版 Gmail有料版 (Google Workspace)
メールアドレス@gmail.com独自ドメイン (@jimusho-name.com)
保存容量15GB (メール・Drive共用)30GB ~ 5TB以上 (プランによる)
所有権個人 (個人のもの)組織 (事務所のもの)
サポートなし (ヘルプフォーラムのみ)24時間365日のサポート有
稼働率保証なし99.9%保証 (SLA)

① 信頼性:「@gmail.com」は業務に不向き
名刺交換をした際、メールアドレスが「yamada-law@gmail.com」だと、クライアントはどう思うでしょうか? 「セキュリティは大丈夫かな?」「個人の副業かな?」と不安に思われるリスクがあります。 有料版なら「yamada@yamada-law.com」のように事務所の看板を背負ったアドレスを持てるため、信頼感が段違いです。

② セキュリティ:退職時のリスク管理
無料版はあくまで「個人の持ち物」です。もしスタッフが退職した際、そのスタッフが使っていた無料Gmailアカウントを事務所側が削除したり、パスワードを変更したりすることはできません。顧客情報を持ったまま音信不通になるリスクがあります。

有料版(Google Workspace)なら、管理者が全アカウントをコントロールできるため、退職者のアカウントを即座に停止したり、メールデータを引き継いだりすることが可能です。

無料版Gmailでも独自ドメインは使える?
「無料版Gmailでも、設定すれば独自ドメインのメールを送受信できるのでは?」 というご質問をよく頂きます。

技術的には可能(POP3/SMTP設定)ですが、業務利用には致命的な弱点があります。

受信の遅延:メールがサーバーに届いてからGmailに表示されるまで、最大で1時間近くタイムラグが発生することがあります。「今メール送りました」と言われてもすぐに確認できません。

送受信エラーのリスク:設定が複雑で、セキュリティ強化により送信エラーになるケースが増えています。

有料版であれば、リアルタイム受信が可能であり、送受信の安定性も保証されています。ビジネスのスピードを落とさないためにも、有料版が推奨されます。

【重要】2025年、無料版Gmailで「事務所メール」が受信できなくなります

現在無料版Gmailを利用されている先生方にお知らせがあります。
これまで、Xserverなどのレンタルサーバーで作った事務所のメールアドレス(例:info@yamada-law.com)を、無料版Gmailの「他のアカウントのメールを確認(POP受信)」機能を使って受信されていた方も多いと思います。

しかし、Googleおよび各サーバー会社からの発表により、この「外部メールの取り込み機能」の仕様が変更され、2025年中にこれまで通りの受信ができなくなる(エラーになる) 見込みです。

何が起きる?:ある日突然、Gmail上に事務所宛のメールが届かなくなります。

影響対象:無料版Gmailの設定画面で、POPサーバー情報を入力して事務所メールを受信している方。

回避策:PCのOutlookなどのメールソフトで受信する(スマホで見づらくなります)

有料版(Google Workspace)へ移行し、サーバーごとGoogleに移す

料金プランと選び方

Google Workspaceにはいくつかのプランがありますが、士業事務所におすすめなのは以下の2つです。

Business Starter(月額680円/ユーザー)

独自ドメインメール、カレンダー、Meetなどが利用可能

保存容量:30GB

おすすめ: 開業直後や、小規模な事務所(メールとカレンダーがメインの場合)

Business Standard(月額1,360円/ユーザー)

保存容量が2TBに大幅アップ

Meet(Web会議)の録画機能つき

おすすめ: 過去の事件記録やデータをクラウド(Google Drive)に大量保存したい事務所

※料金は2025年時点の目安(税抜)です。為替やGoogleの改定により変動する場合があります。

「1ユーザー」の数え方に注意

料金は「1ユーザーあたり」かかりますが、これは「メールアドレスの数」ではありません。 「メールボックスを持つ人の数」です。

例えば、弁護士1名、事務員1名の事務所の場合。

lawyer@(弁護士用)

staff@(事務員用)

info@(代表問い合わせ用)

saiyo@(採用窓口用)

このように4つのアドレスを作っても、実際にログインして使う人が2名なら、契約は「2ユーザー分」でOKです。 info@やsaiyo@などの共有アドレス(グループアドレス)は、無料でいくつでも作成できます。

導入・移行のハードル

「便利そうなのは分かったけど、設定が難しそう」 「今のメールデータを消さずに移行できるか不安」

Google Workspaceの導入には、ドメインの所有者確認やDNSレコードの変更作業を伴います。

私どもでお申し込みを頂いたお客様に関しましては,ドメインの所有者確認とDNSレコードの変更作業は,当面は無料で代行させていただきます。

(メール設定,メールデータの移行作業等は状況をお聞きして個別にお見積りをご提示いたします)

まとめ

無料版Gmail:プライベート用。業務で使うと信頼性と管理面でリスクあり。

有料版(Google Workspace):ビジネス用。独自ドメインで信頼性が高く、セキュリティ管理も万全。

月額数百円のコストで、事務所の「信頼」と「安全性」が買えると考えれば、決して高い投資ではありません。 まだ無料版をお使いの事務所様は、この機会に切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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