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ホームページ制作に限らず、弁護士や司法書士の業務において「デジタルデータの管理」は避けて通れない課題です。
「事務所内でのファイル共有が遅い」 「外部とのデータのやり取りがメールでは限界」 「セキュリティが心配」
今回は、ホームページ制作の現場で私たちが実践しているデータ管理術をベースに、士業事務所におすすめしたい「ストレージ(データの保存場所)」の選び方と活用法をご紹介します。
- なぜ、士業に「チームでのデータ共有」が必要なのか?
かつては個人のパソコンにデータを保存していれば事足りましたが、現在は「チーム」での共有が必須です。
分業の効率化: 弁護士が作成した書面を事務局が推敲する、パラリーガルが集めた資料を全員で閲覧するなど。
ホームページ制作時: 写真、原稿、ロゴデータなど、制作会社と共有すべきファイルは膨大です。
BCP対策: パソコンが故障しても、データがサーバーにあれば業務は止まりません。
これらを実現するために、大きく分けて「社内サーバー(NAS)」と「クラウドストレージ」の2つを使い分けるのが正解です。
- 社内サーバー(NAS)の活用:大容量データの保管庫
事務所内に設置するハードディスク(NAS)です。 最近はインターネット回線が高速化しましたが、それでも数千枚の写真データや動画、過去の事件記録のバックアップなど、テラバイト(TB)級のデータを扱うには、社内サーバーが最も高速でコストパフォーマンスが良い場合があります。
【セキュリティ設定の重要性】 家庭用の簡易サーバーとは異なり、業務用のNAS(QNAPやSynologyなど)は細かな権限設定が可能です。
アクセス権限: 「経営会議の資料」はパートナー弁護士しか見られないようにする。
編集権限: 「過去の判例データベース」は、誤って削除しないよう「読み取り専用」にする。
ログ管理: 「誰が・いつ・どのファイルを持ち出したか」を記録する。
これらを適切に設定することで、内部不正やミスを防ぐことができます。
- クラウドストレージの活用:場所を選ばない働き方へ
現在、多くの事務所でメインになりつつあるのがクラウドストレージです。 特に以下の2つは、士業の業務効率を劇的に変えるツールです。
① Googleドライブ(Google Workspace) Googleドキュメントやスプレッドシートとの連携が強力です。 以前は「ドライブファイルストリーム」と呼ばれていた機能が、現在は「パソコン版 Googleドライブ」として標準化されています。 これにより、クラウド上のファイルをあたかも自分のパソコンの中にあるかのように扱え、ハードディスクの容量を圧迫せずに数万点のファイルにアクセスできます。
② Dropbox(ドロップボックス) 外部とのファイル共有において、非常に優秀です。特に便利なのが「ファイルリクエスト機能」です。
メール添付できない重いファイル: 依頼者に「このURLに証拠写真や資料を入れてください」と伝えるだけで、アカウントを持っていない相手からも安全にファイルを集めることができます。
高速なプレビュー: 専用ソフトがないスマホからでも、PDFやOfficeファイルを高速で閲覧できます。
- SSDの普及で「待ち時間」をゼロに
ストレージを選ぶ際、現在は「SSD(ソリッドステートドライブ)」一択の時代になりました。
HDD(ハードディスク): 安価で大容量だが、物理的な円盤が回るため衝撃に弱く、読み込みが遅い。
SSD: 衝撃に強く、読み書きが圧倒的に速い。
以前は高価だったSSDも価格が下がり、寿命も劇的に延びています。パソコンの起動やファイルを開く「数秒の待ち時間」も、積み重なれば年間で何十時間ものロスになります。 これから機器を導入される先生は、パソコンもサーバーも「SSD搭載モデル」を強くおすすめします。
まとめ:適材適所でデータを守る
機密性の高い超大容量データ → 社内サーバー(NAS)で堅牢に守る
日々の業務や外部との共有 → クラウド(Google WorkspaceやDropbox)で効率化する

士業専門のWeb制作会社として、先生方の「理念」を必要とする人に届けるサポートをしています。 私の原体験は、児童養護施設で育った日々にあります。法的支援に辿り着けず苦しむ人々を見てきたからこそ、「悩める人」と「専門家である先生」を繋ぐWebサイトの重要性を痛感しています。 ただ綺麗に作るのではなく、相談者が「ここなら信頼できる」と一歩を踏み出せる、温かみと集客力を兼ね備えたホームページ制作をお約束します。

