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弁護士や司法書士の先生方がホームページでブログやコラムを書く際、必ずと言っていいほど直面する疑問があります。 「SEOで上位表示するためには、最低何文字くらい書けばいいのでしょうか?」
かつては「長ければ長いほど良い」と言われた時代もありましたが、検索エンジンの進化に伴い、その常識も変化しています。 今回は、過去のトレンドの変遷と、2025年現在における「適切な文字数」の考え方について解説します。
このページの目次
昔は700文字、今は2,000文字以上?SEOトレンドの変遷
少し歴史を振り返ってみましょう。 2015年頃までは、700文字〜1,000文字程度の記事でも十分に上位表示が可能でした。しかし、2017年頃からGoogleのアルゴリズムが変化し、「網羅性(情報の詳しさ)」を重視するようになりました。
その結果、特に競合が多いビッグワード(例:「債務整理」「離婚」など)においては、2,000文字〜3,000文字以上のしっかりした構成の記事が上位を独占する傾向が強まりました。 これは現在でも基本的には続いていますが、単に「文字数が多ければ良い」という単純な話ではなくなっています。
キーワードによって「正解」は違う
競合が多いキーワード(悩み深い): ユーザーの知りたいことが多岐にわたるため、結果的に長文(3,000文字以上)になる傾向があります。
競合が少ないキーワード(ニッチな悩み): 答えがシンプルであれば、1,000文字程度でも十分に上位表示されます。
【実例】アクセスが急増した「3,500文字」の記事の秘密
過去に、ある法律事務所の業務停止がニュースになった際のエピソードをご紹介します。
当時、私どものクライアントである弁護士の先生が、そのニュースを受けて「委任していた依頼者はどうなるのか?」「至急やるべき対応は何か?」という解説記事をいち早く公開しました。 その記事はまたたく間に拡散され、凄まじいアクセス数を記録しました。
なぜその記事は読まれたのか?
その記事を確認したところ、文字数は約3,500文字ありました。しかし、決して文字数稼ぎで長くなったわけではありません。
- 自己破産を依頼していた人の対応
- 任意整理中だった人の対応
- 過払い金請求中だった人の対応
このように、状況が異なるユーザー一人ひとりに向けて、「困っている人を助けたい」という真摯な思いで具体的なアドバイスを網羅した結果、必然的に3,500文字になってしまったのです。
結論:「文字数」を目標にしてはいけない
この事例から分かるSEOの真実は一つです。 「ユーザーにとって本当に有益な記事を書こうとすれば、自然と文字数は多くなる」ということです。
2025年のGoogle(およびAI検索)は、「文字稼ぎの引き伸ばし文章」を簡単に見抜きます。無理に文字数を増やそうとして、無駄な前置きや同じ内容の繰り返しを入れるのは、かえってマイナス評価になります。
先生方が意識すべき執筆の基準
これからのブログ執筆では、以下の手順で進めてみてください。
- ターゲットの悩みを想像する (例:「借金の督促を今すぐ止めたい」)
- その悩みを解決するために必要な情報をすべて書き出す (督促が止まる理屈、受任通知の流れ、費用、デメリットなど)
- 書き出した内容を、専門家として丁寧に解説する
このプロセスを経れば、自然と2,000文字〜3,000文字程度の、中身の詰まった記事ができあがるはずです。
「何文字書けばいいか?」と迷ったら、「目の前の相談者が満足して帰ってくれるには、どれくらい説明が必要か?」と考えてみてください。その説明量こそが、その記事の最適な文字数です。

