前回の記事ではホームページでのユーザーの行動心理の”ザイオンス効果”について書きました。
今回は定番行動心理だけど,士業の方が嫌がる”コントラストの原理”について書いてみたいと思います(笑)
弁護士や司法書士などの士業の皆様も一度は”報酬が高い”と言われたことはありませんか?
冷静に考えると,報酬は高くなく,むしろ安いと個人的には思っていますが,どうしても一定数の人は”弁護士は高い”や”司法書士は高い”と考えてしまっているようです。
確かに,ぱっと見た感じでは,物販のように仕入れもないように見えますし,書類を作って,交渉して・・・
と流れを見ると高く感じるかも知れませんね。
実際は,大変な試験の勉強を乗り越えて,合格後も書籍などで知識の仕入れをしなくてはならず,知識の仕入れをするにも時間がかかりますよね。適正な報酬は頂いて当然だと思います。
さて,話がそれてしまいましたが,様々な理由からで”安く感じさせる工夫”が必要になることがあります。
そんなときに有意義なのが,このコントラストの原理です。
いったいどんな原理かというと,例えば,A弁護士とB弁護士が報酬をホームページに書いたとします。
訴訟の報酬が
A弁護士 = 100,000円
B弁護士 = 200,000円
だと仮定して,料金だけに着目すれば,多くの人がA弁護士を選ぶことになるでしょう。
しかし,以下のような料金体系ならどうでしょうか。
A弁護士 = 100,000円
B弁護士 = 通常200,000円のところ,本人訴訟の方に限り半額で対応します。
というとB弁護士がとても安く感じると思います。
このように,人は何かを選ぶときは無意識に近い状態で別のものと比較してしまうのです。
しかも”本人訴訟支援”としては決して安くないない料金体系なのにも関わらず”選んでしまう”傾向にあります。
実際に上記のように”本人訴訟支援”や”代理しない”というプランにご理解を頂いたお客様にご協力をいただき何度も検証したことがありますが,一定の効果がありました。(検証のつもりがそのままサービス化したかたもいらっしゃいます)
”本人訴訟支援”のような”半セルフサービス”は今後益々増えていくと予想しています。
なぜなら,無料法律相談に匹敵するほど”フロントエンド商品”になるからです。
余談ですが,先日私の知人が離婚をするため弁護士に相談しにいったと話していたので,どこの事務所に相談しに行ったかを聞いたところ,複数の事務所に相談しに行っていたようですが,複数の事務所のうち1事務所はたまたま私のお客様でした。(個人情報や契約の問題もあるでしょうし,お客様の承諾を頂いていない段階だったこともあり,お客様であることは伏せましたが・・)
どの弁護士に依頼するかを悩んでいるようですが,私の勉強のために”どの点で悩んでいるの?”と聞いたところ,セルフプランのようなものがあって,安く感じたからと言っていました。
私から見ると,どう考えても割高な料金設定でしたが,コントラストの原理はこういう知人に対して顕著に作用する心理なんだなぁと目の当たりにして勉強になりました。